スピルバーグ25歳の時の初監督作品「激突！」を初めて観ました。低予算で作ったという割には面白かったです。
主人公デイビッド・マンが、偶然出会った大型トレーラーに追いかけられるというストーリー。なぜ標的にされたのか、その説明は一切ない、理不尽な巻き込まれ型の物語。トレーラーの運転手もどんな人かわからない。運転手を怒らせた原因(？)は、一度追い越しをしたこと。「追い越しされるとムカつく！」って言う人もいるらしいです・・競争意識というか負けた感があるのだろうか？でも殺意を持って迫ってくるから、それだけではなさそうです。列車が通過している踏切に後ろからつついて衝突させようとしたり・・(↑写真)。あおり運転が問題になっているけれどさすがにこれは無いだろう・・(>_<)
相手は大型車で小回りがきかないから、狭い道に曲がれば？と思いきや、ここはアメリカの砂漠地帯、延々と一本道が続くのです。畑も民家もない。だから目撃者もいない。ここで車が壊れて飲み水もなかったら…山で遭難するのと同じくらい命取りになるでしょう(当時は携帯電話もない)。こういう物語が成り立つアメリカ大陸の広さにつくづく驚いた次第です。
ところでマンは最初、自宅の奥さんに電話をしています。朝、家を出るときにケンカしたらしい・・詳しくは語られないけど散々、なじられて、どうやら離婚の危機にあるらしい。今日は早く帰って話し合いをしないと！という心理状態。大事な仕事があるからただでさえ焦るのに！彼の私生活はこのトレーラー事件とはまったく関係がないのですが、家庭でのイライラやプレッシャーの多い仕事など、いろんなものから【逃げたい❗】という気持ちと重なっているのではないだろうか・・？マンを追い詰めるすべてのものがトレーラーに姿を変えて襲ってくるように思えました。だからこれはもしかしたら、脳内で見ている夢なのかもしれない…(！？)
しかし逃げるばかりではない❗このあとが見所です。クライマックスは目が離せませんでした。悪夢と正面から対峙できたら、きっと生活も上手くいくに違いない。
ところで「激突！」を見ていてデジャヴ感があったのでよくよく考えてみたら、ルパン三世の映画「ルパンvs人造人間」に出てくるカーチェイスがそっくりだったような・・(！？)。色々なところでマネされているのでしょう。物語は単純なのに面白く見せるスピルバーグはやっぱりすごい❗犯人の顔を最後まで見せないという作り方も斬新でした。皆さまもよろしければご覧になってみて下さい(^_^)🎵
