今日のごはん日記

料理の記録や気ままな日記を書いてます😄

愛と死の記録

キューポラのある街」「愛と死を見つめて」に継ぐ小百合さんの映画です。テレビ欄で偶然見つけて見たのですが、悲しかった…(;_;)

終戦から20年くらいしか経っていない、広島が舞台です。和江が出会って結婚の約束までした、素敵な彼氏、幸夫。悲しいことに彼氏は原爆症にかかってしまうのです・・・

幸夫役は、渡哲也さん(若すぎて驚いた!大門のイメージ強すぎて…)。幸夫の「わしは◯◯じゃ!」という広島弁が良かった。一途な青年という感じ。幸夫の親友は中尾彬さん(若すぎて誰だかわからなかった!マフラーもしてないし…そして意外に二枚目)。

番組の解説には、「ドキュメンタリータッチで描いた」とあるように、映画の枠を越えた表現が見られました。劇中に出てくる広島平和公園での記念式典は、実際の映像を使用しています。まだ周囲が整備されていない原爆ドームも。それから街中の記念碑に刻まれた峠三吉の詩が、見ている人の視界に入るように写されたりしています。「ちちをかえせ、ははをかえせ」という詩を覚えてますが教科書に載ってたかな・・?

映画は純愛ものですが、それにとどまらない重いテーマ。以前ご紹介した「ひろしま」という映画に雰囲気がちょっと似ていた。あちらは投下直後の悲惨さが衝撃的だったけれど、助かってもいつ原爆症が発症するかわからず、おびえて暮らす人達は多かったんだろう…そしてそれは3.11の後、現在にも通じる。人生を狂わされた数えきれない人達の魂を、この二人は背負っているんだ…と感じました。最後は、本当にやるせなかった。違う場所、違う時代に生まれていれば幸せになれたのに…

映画ってハッピーエンドやご都合主義に終わるものが多いですが、このリアリティー、悲しさを知ってほしい!という製作者の気持ちが伝わってきました。