今日のごはん日記

料理の記録や気ままな日記を書いてます😄

映画「ひろしま」

広島の原爆を描いたこの映画、今までまったく知りませんでした。先日のEテレで製作過程を紹介したドキュメントと、本編を初めて見て知りました。こんなスケールの大きな映画があったのか……

作られたのは終戦から、わずか8年後(1953年)!子供達の手記「原爆の子」に寄せられた体験談が盛り込まれています。

例えば、狂ったように妻子のなまえを呼びながら探し回る男性の姿や、熱くて川に飛び込み、そのまま流されてしまう人達。映画では、投下直後の様子が長く描写されているから、見るのも辛いです。身に付けている衣類や日用品、がれきも当時の本物を使っているそうなので、一層リアルに感じます。

たった8年では思い出すのも辛く、心身の痛手も生々しく残っていると思うのに…それはただ、この戦争(原爆)を二度と繰り返さないという誓いを込めて、忠実に再現・記録しておこうという強い意志があったからなのでしょう。屋外の壮大なセットやたくさんの人にも圧倒されたけれど、この揺るがない熱意というものが、いちばん胸に迫ってきました。

この作品には、なんと広島市民8万8000人が出演したのです(!) ラストシーンで、原爆ドームに向かって歩いていくたくさんの名も無き市民。これは本当に圧巻でした。イスラム教徒が、神聖なるメッカに巡礼の旅に向かうように、人々は平和の象徴、原爆ドームを目指していきます。ひとつの祈りを胸に抱いて…。

広島にご縁のあるかた、ご親戚のどなたかは、この映画に出てるかもしれませんね。

映画では、生き残っても後遺症に怯えたり、差別にさらされる人達も描かれています。3.11の時もあったけれど、未だ解決されてないな…と思いました。本当に戦う相手は別にいるのに、被害者だけが責められるってやるせない…自己責任論がまかり通っている現代ではその傾向がつよくなっているようにも思うのですが、どうでしょうか?

当然アメリカに対する批判的な場面もあるのですが、当時はそれが「反米的」という理由で上映されず、結果、作品がお蔵入りになってしまったのだとか…でも、今になって上映する映画館も増えているようなので、よろしければ皆様もぜひご覧になってみてください。

ちなみに、音楽担当はあの!「伊福部昭」さんです。ゴジラのテーマ曲を作った、あの人です。 この作品の翌年に第1作目のゴジラが公開されましたが、ゴジラに踏まれて焼け野原になった都会、野戦病院みたいな病院も戦争の傷痕そのものだな…と思いました。劇中に流れる鎮魂歌などもそっくりなので、同じ曲を使っているのでは…と思いました。ゴジラ反戦映画ですから、併せて見てみるのもオススメです。