この番組、おもしろくてよく見ています。歴史上の人物の健康状態を探りながら、どんな人生だったかを辿るもの。今回はベートーベン。
難聴だったのが有名ですが、「運命」で繰り返されるリズム…「タタタターン」は彼の耳鳴りのリズムだったらしい。ベートーベンを苦しめた耳の障害が名曲の元になったなんて、切ないお話です。天才はどうあっても、その道しか歩くことを許されない、神様から託された使命だったのかも…?と思いました。
元々は宮廷音楽を作り演奏していたけれど、フランス革命が起こったのを知って、貴族だけでなく一般の貧しい人にも芸術に触れてほしい、と色々行動を起こします。コンサートの値段を安くしたりとか…立派な人だったんだ、ベートーベン・・
しかし耳はどんどん悪くなり、人の声は聞こえるのに意味がわからないという事態になりました。これは耳の奥の「内耳」に異常があったのではないか?という現代医師の診断です(母音は聞こえるのに子音が聞き取れない→『あかさたな』は『あああああ』と聞こえてしまう)。ピアノの鍵盤上に反響するブースみたいなものを作ったり、涙ぐましい自作の補聴器もたくさんありましたが、落ち込んでワイン1本を毎日空けてしまう始末…そのため晩年は肝硬変(>_<)・・
ところで、紹介されていた「第九」が素晴らしい。年末になるといつも話題になるのですが、その歌詞(の一部)を初めて知りました。「時の流れが激しく分かつものが、神の力で再びひとつになり、すべての人はきょうだいになる」。これは階級や差別を乗り越えて、私たちは再び平等と自由を得る、という内容なのだそうです。現代でもいまだ実現されていないテーマです。ベートーベン、立派な人だったんだな…とここでも思う。もう耳はほとんど聞こえてなかったのに…。年末にこの詞をかみしめるのも意義のあることですね。
ちなみに可哀想なのは、名曲「エリーゼのために」。これは愛する女性のためだけに作って贈った曲でしたが、彼女の死後、遺品から見つかったのでベートーベンの未発表作品として公開されてしまったということです。つまりプライベートな恋文にも等しいものを世間にばらされてしまったんです……これはひどい(;゜Д゜)!!でも、名曲です。「エリーゼのために」私も大好きな曲です✨(〃▽〃)✨
やはり、彼の作品は人類の宝ですから、プライベートってないんですね…
ベートーベンの残した楽譜には色々と細かい指示が書いてあって、演奏者泣かせだったそうですが、ハンデにも負けず突き進んだ情熱が素晴らしい。いつか「第九」のコンサートにも行ってみたいです✨