今日のごはん日記

料理の記録や気ままな日記を書いてます😄

若冲展に行けなかった話

先日少し書きました、上野でやっている伊藤若冲展のことです。有給をとって行こうと思って、混み具合を調べたら‼雨の中でも4時間待ちは当り前!

そんなわけで、根性のない私は早々にくじけました。よって、有給は消化できず(-_-)。

特にいいなと思うのは鳥や花、生き物たちをえがいた動植綵絵というシリーズです。その中でも「池辺群虫図」という作品があるのですが、これがとても面白い絵なんです。若冲の絵ってメインになるものが無くて、遠近法なども使ってないので、平面的で全てが同列に描かれているんです。西洋画だと奥行きとか陰影があるけど、これは隅々まで丹念に描かれているので、ひとつひとつ細かく見ていく感じです。二次元的だから現実感がなくて本当に不思議な絵なんです。そういえば浮世絵とかもそうだけど、日本画の特長なのだろうか?これって現代の漫画にも通じているのかもしれませんね。

ところで、若冲展に訪れた人は、1ヶ月経たない現在で20万人を突破したとか!考えてみたら、何万年も前の洞窟に獣の絵が描いてあったり、また小さな子にクレヨンを持たせたら夢中で絵を描いたりします。芸術を愛する心は、昔から私たちの魂に刻まれているのかもしれません。美しい自然や音楽も心を豊かにしてくれます。それは知性や想像力とともに、人間を人間たらしめているもののひとつなのだと思います。

これがなくなるとどうなるか……本当に恐ろしい世界が出現すると私は心配しています。現政権が「国立大学から文系の学部を無くせ」とか言っていますね。文学部より経営学部のほうが就職には有利でしょうか。文系は役に立たないから、それより儲ける知恵でもつけたほうが得だって…!だけど、経済優先で出来たのが今の世界です。原発は儲かるからドンドン動かす。事故が起きて飯舘村の自然やこつこつ築いてきた「までいライフ」が破壊されても知らんぷり。人口の少ない田舎なんてどうなってもいいと思ってます(そもそも原発は、人口の多い所には建てられない決まりがあります)。だけど、自然や伝統文化、特産品など「世界にアピールできる日本」ってすべて地方にあるものですよ。これが放射能でダメになったら、観光客なんて来ません。というかその前に日本が潰れるかも?( ; ゜Д゜)。そして倫理も無いから、企業の不正も次々と発覚しています。安倍総理の言う「美しい国」って何だろう?何をもって「美しい」というのか、私には本当にわかりません……

こんな人が国を動かすと、どんどん破壊的な方向に突き進んでいきます。誰でも当たり前に仕事が出来て幸福に暮らせる、そんな世界を私は望んでいます。だから、経済という尺度とはまったく関係のない、けっして権力におもねることのない芸術や文学は絶対に守らなくてはならないものだと思うのです。

そして若い人達には、美術館に行ったり、良い音楽を聴き、豊かな自然に触れたりしてほしいなと思います。本もたくさん読んで!勉強も大事だけど……。若者の感受性はオヂサン、オバサンと違いますから、きっと心の糧になると思うのです。これからはむしろ、そういう感性を持つことの方が大切なのかもしれません(^o^)。